あたらしい経済ニュース(幻冬舎のブロックチェーン・仮想通貨ニュース)

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ステーブルコインは本当に金融を便利にするのか? 既存金融とWeb3の「ズレ」(「そうだったのかブロックチェーン Ep.16」内田善彦・酒井勇也・大津賀新也)

ステーブルコインは本当に金融を便利にするのか? 既存金融とWeb3の「ズレ」(「そうだったのかブロックチェーン Ep.16」内田善彦・酒井勇也・大津賀新也)4 days ago52 min

「そうだったのかブロックチェーン」Ep.16

このポッドキャスト番組では、日銀・金融庁で銀行監督の経歴をもち、現在は周南公立大学情報科学部でブロックチェーンについて教鞭を執る内田善彦と、グルメアプリのファウンダーとして、Web2サービスにブロックチェーンを掛け合わせ、Web3事業を構築したキャリアを持つ酒井勇也、そしてクリプト専門メディア「あたらしい経済」副編集長の大津賀新也の3人が、ブロックチェーンについて今知っておくべきことを紹介します。

第16回となる今回は、前回の「ステーブルコイン編」の延長戦として、既存金融の前提とWeb3業界が掲げる理想との「ズレ」を軸に議論しました。

まず、既存金融の基本を、最終決済手段が法定通貨であること、銀行の信用創造を軸とした経済システムであること、倒産に関する制度が整備され、貸し倒れの可能性を前提として与信が成り立つことの3点に整理しました。

これに対し、Web3業界の理想として、通貨発行権限の民主化、銀行を必須としない分散型システム、過剰担保と「Code is Law」を前提とした自己責任を対置。KYCやプライバシーをめぐり、両者の議論がすれ違う構造を確認しました。

そのうえで、ステーブルコインを既存金融で使うなら、所有権の移転と与信を実務で回すための既存制度に乗るほかなく、「いいとこ取り」は難しいことを指摘。また、銀行にとってはステーブルコインよりトークン化預金の方が筋がよいことや、BIS(国際決済銀行)やIMF(国際通貨基金)などで、決済手段に求められる「単一性・弾力性・完全性」の観点から、ステーブルコインを未成熟とする議論があることにも触れました。

最後に、米国がステーブルコインを推進する一方でCBDC(中央銀行デジタル通貨)を禁じる背景にある、通貨発行をめぐる思惑にも踏み込みました。

さらに「オンチェーンファイナンス」について、既存金融の何をどこまで変えるのかという計画が見えず、議論の土台となる情報が十分に示されていないと問題提起。むしろ金融以外の領域の方がブロックチェーンを生かせるのではないか、という視点で締めくくりました。

なお第13回から第18回では、既存金融の基礎からブロックチェーンとの接合の可能性に迫ります。

次回、第17回目は2026年9月15日に配信予定です。今回までのステーブルコインの議論を踏まえ、DeFi(分散型金融)をテーマに、ステーブルコインとの関係やその可能性について解説します。

【出演者】

・内田善彦