
← サイバーセキュリティ新聞13 jul · 25 min
AI編#13丨そのプロンプトは、外部送信ではないのか——生成AI時代の患者データ・機微情報・SaaSガバナンス
<p>生成AIに入力したそのプロンプトは、本当に「自分だけの画面の中」に留まっているのでしょうか。</p><p><br></p><p>本エピソードでは、生成AI時代のプロンプト入力、患者データ、機微情報、SaaSガバナンスについて解説します。</p><p><br></p><p>取り上げる主なテーマ</p><p><br></p><p>- プロンプトは外部送信なのか</p><p>- 生成AIとデータフロー</p><p>- 患者データ・医療情報・メンタルヘルス情報の扱い</p><p>- 日本の個人情報保護法とPPCの考え方</p><p>- HIPAAとBAA</p><p>- ePHIとクラウド事業者</p><p>- 第三者提供と委託の違い</p><p>- BetterHelp事案</p><p>- GoodRx事案</p><p>- 匿名化の罠</p><p>- 自由記載と再識別リスク</p><p>- OpenAI、Azure OpenAI、Google Gemini、AWS Bedrockのデータ保持</p><p>- Web検索・音声・メモリー・スレッド機能のリスク</p><p>- RAGと社内データ連携</p><p>- DLP・RBAC・監査ログ</p><p>- SaaSのサイレントアップデート</p><p>- AI導入前のガバナンス設計</p><p><br></p><p>生成AIの問題は、AIが正しい答えを出すかどうかだけではありません。</p><p><br></p><p>もっと手前にある問題は、何をAIに渡したのか。</p><p>そのデータはどこへ送られるのか。</p><p>どこに保存されるのか。</p><p>誰が見られるのか。</p><p>どの機能をオンにすると、外部検索、ログ保存、メモリー、音声処理、サードパーティ連携が動くのか。</p><p><br></p><p>プロンプト入力は、単なる文章作成ではありません。</p><p><br></p><p>多くの場合、それは外部SaaSへのデータ送信イベントです。</p><p><br></p><p>特に、患者情報、メンタルヘルス情報、診断名、服薬、通院歴、家族関係、職場の悩み、トラウマ、希死念慮などは、極めて感度の高い情報です。</p><p><br></p><p>名前を消しても安全とは限りません。</p><p>自由記載に残る文脈だけで、個人が再識別されることがあります。</p><p><br></p><p>重要なのは、「どのAIサービスなら安全か」ではありません。</p><p><br></p><p>どの機能を使うのか。</p><p>どのデータを入れてよいのか。</p><p>どのログが残るのか。</p><p>誰がアクセスできるのか。</p><p>事故が起きたとき、誰が止めるのか。</p><p><br></p><p>ブランド名ではなく、機能単位・契約単位・データ経路単位で管理することです。</p><p><br></p><p>生成AIを安全に使うとは、最新モデルを選ぶことではありません。</p><p><br></p><p>データを分離し、入力境界を決め、便利機能のスイッチを確認し、ログと緊急停止手順を整えることです。</p><p><br></p><p>そのプロンプトは、外部送信ではないのか。</p><p><br></p><p>AI時代の患者データ、機微情報、SaaSガバナンスを考えます。</p>