
← 通勤學日文12 mars · 6 min
メンタルヘルスなくして、健康なし
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論文連結:https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140673607612380/abstract
逐字稿:
皆さんは、こんな経験はありませんか? 「ストレスが溜まっている時ほど、風邪がなかなか治らない」 「悩み事がある時に、なぜか背中や胃が痛む」
昔から「病は気から」と言われてきましたが、現代医学の世界でも、ついにその「正体」が科学的に証明されました。今日ご紹介するのは、2007年に世界最高峰の医学雑誌『ランセット(The Lancet)』に掲載され、世界中に衝撃を与えた論文です。
タイトルは、『No health without mental health(メンタルヘルスなくして、健康なし)』。今日は、私たちの体を支配している「脳と心」の驚くべきメカニズムを紐解いていきましょう。
まず、この論文が提示した驚くべき数字からお話しします。 世界中のあらゆる病気による負担のうち、なんと 14% が「精神疾患」によるものだということが分かりました。
14%と聞くと少なく感じるかもしれませんが、これは癌や心臓病に匹敵する、あるいはそれ以上のインパクトです。著者のマーティン・プリンス教授たちはこう指摘しています。
「私たちは長い間、『心』と『体』を別々の箱に分けて考えてきた。でも、それはエンジンの修理をせずに、車の外装だけを直そうとしているようなものだ」と。
では、なぜメンタルヘルスが悪いと、体に実害が出るのでしょうか? これは単なる「気の持ちよう」ではなく、生理学的な事実です。
免疫力の低下: 論文では、うつ状態や強いストレスが免疫系を著しく弱めることを証明しています。例えば、うつ病を併発しているHIV患者の方は、そうでない方に比べて病気の進行が明らかに早いことが分かりました。心が折れると、体も戦う力を失ってしまうのです。
慢性病との「共生」: うつ病を抱えていると、心血管疾患、糖尿病、脳卒中のリスクが大幅に上がります。なぜか? メンタルが不安定になると、タバコやアルコールが増えたり、運動不足になったり、あるいは「薬を飲む意欲」さえ失ってしまうからです。